AIを使ってしたい100のこと

生成AIの可能性と、それを使って自分自身を表現する楽しさを伝えることを目指しています。

AIを活用した難問解決:「理解する」アプローチの重要性

1. 難問とAI

「AIに聞いたけどわかりませんでした」という話をよく聞きます。

多くの人は自分が分からない難問をAIに教えてもらおうとします。しかし、これは効率が悪いと感じます。「自分が分からない難問を、教わるためのプロンプト」を考えるのもまた、難問だからです。

2. AIとの適切な対話

多くの人が簡単なことは自分で考えようとします。そして、難問をAIに問い合わせようとします。そうではなくて、自分にとっては難問だが、AIにとっては楽勝なことを、どんどんAIに回答してもらうのがいいと思います。「自分にとっては難問だが、AIにとっては楽勝なこと」は、「自分は知らないが、一般的には知られていること」と置き換えられます。

3. AIのプロンプト

ニッチな質問の回答をAIから引き出すのは容易ではありません。生成AIのプロンプトは、おおまかに作成、編集、質問する、理解する、最新の状況の確認の、5つのカテゴリに分類できます。「AIで調べた」という場合、これらのうちの「質問する」アプローチを採ったことになります。

4. AIの活用

自分の業務全体を見渡した時に、「質問する」以外のタスクもいろいろあると思います。たとえば、文書の下書き作成(作成)や文書校正(編集)、アイディアを分析する(最新の状況の確認)といったタスクでAIを活用し、時短で終わらせます。

5. 難問の解決

そうしてできた余剰時間で、難問を自分で解くのが良いと思います。その際には、翻訳や要約(理解する)を多用します。つまり、AIに難問を「質問する」のではなく、AIを使って難問をまず「理解する」のです。

6. 理解するアプローチ

  • 知らないから教えてください。(質問する)これで答えが出なければ、
  • 知らないから理解したい。(理解する)というアプローチに切り替えるわけです。

理解しようというスタンスに立てば、自ずと質問したい内容が次々と思い浮かぶものです。

7. 例:Azureでの静的解析

  • Azureでコンテナアプリケーションを静的解析するためのツール〇〇の具体的な設定手順を教えてください。

これで答えが出ないなら、自分が理解したいことをAIにバンバン聞いていきます。

  • 静的解析とは何ですか。
  • コンテナアプリケーションにおける静的解析とは何ですか。
  • Azure WebAppsでコンテナアプリケーションの静的解析を行うツールにはどのようなものがありますか。

8. 結論:理解するアプローチ

これは、人間を理解する試みに似ています。質問するより理解を試みたほうが(プロセスがサクサク進むため)結論が出るのが早い。人とのコミュニケーションで、「質問する」より「理解する」アプローチの方がスムーズに進む。これは普遍的なことなのかもしれませんね。

「質問する」は受動的です。回答によって次の展開が行き詰まる可能性があります。一方、「理解する」は能動的なため、より状況をコントロールしやすくなるのだと思います。その結果、総対応時間が短く済む傾向があるのだと思います。