私は結構保守的なほうだ。流行りには乗っからないし、皆がいいと言っているものでも、自分の生活に取り入れない。人気の歌でも聴いてみないし、ジャンルそのものに近づこうともしない。
日本語ラップはその一つだ。
先日、ドラマ「不適切にもほどがある!」を楽しく見ていた。このオープニング曲が、なんだかいいなと思った。
Creepy Nutsの「二度寝」。歌詞は分からんけど、思わず鼻歌を歌って、縦ノリでステップを踏んでしまう。
その後、CDTV(カウントダウンTV)ライブ!ライブ!を見た。
Creepy Nuts「二度寝」だ。
名前は知ってる。
R-指定。
あのドラマの曲は、この人が作ってそして、歌っているのか。
すごい。
字幕の歌詞が読み取れない速さ。ギタリストのソロプレイのように、技巧に魅了される。
かっこいい、そして歌が美しい。
さらに頭の良さを感じる。
この曲、《眠れそうもないこんな夜》を感じる。
夜の海をドリフトダイブするような、そんな感覚。
ところどころで昔話のキャラクターに出会う。カチカチ山だとか、悪ふざけがチャーミング。
竜宮城、鬼ヶ島、月の裏へ一瞬でいざなう。
私はうっとりと水の中をたゆたう。この流麗さをフロウと言うんだろうか?
そして水中で目ざめ、幾度も二度寝した。
超絶的な技巧とファニーな世界観、やさしいユーモア。それらを操る滑らかなる歌手。
私の好きなものが全部入っている。ギフトを持った者からのギフト。
それが、R-指定の日本語ラップだった。