はじめに
生成AIを使い始めてから、物事を抽象的に考えることが非常に重要だと感じるようになりました。抽象的に捉えると、異なるもの同士の間にある共通点を見出し、それらを関連付けて新たな視点で理解することができます。これにより、一見関係のない要素を抽出して別のものに応用することも可能になります。
例えば、生成AIを使えば他の人が書いた文章から特徴だけを抜き出し、それを自分の文章に取り入れることができます。生成AI自体は簡単にこうした作業を行えるものの、その活用方法を思いつくためには、やはり抽象的に物事を捉える力が必要だと感じています。
今回は、異なる抽象度を持つ二つの概念を使って、その間にある抽象的な共通項を生成AIを用いて抽出する試みを行います。
抽象度を示すスケールを作る
プロンプト
私は、抽象度を示すスケールのようなものを作成したいです。 抽象度1から10に向かって、抽象度の低い順に「抽象度x:〇〇」というリストを作成してください。抽象度1と10は、以下の通りに事前定義します。
- 抽象度1:澄川 蓮 (すみかわ れん)
- 抽象度10:人間
澄川 蓮 (すみかわ れん)のプロフィール
- 名前: 澄川 蓮 (すみかわ れん)
- 年齢: 34歳
- 職業: フリーランスのエッセイスト・ブロガー
- 外見:
- 身長: 175cm
- 体型: 細身で、少し痩せている
- 髪: 長めの黒髪で、前髪が目にかかる
- 目: 深い茶色で、時折哀愁を帯びている
- 服装: 常にシンプルで、モノトーンの服を着ている。白いシャツに黒いジャケット、スリムフィットのパンツ。足元は黒いブーツ。
- アクセサリー: 蓮はいつも左手の薬指に、小さな銀のリングをつけている。それは彼の亡き祖母から受け継いだもので、彼にとっては幸運のお守り。
- 趣味:
- 心情:
- 蓮は深い思索と慎重さを持ち、AIと人間の違いについて真剣に考えている。彼は鬱ブログの著者に共感と敬意を持ち、彼らに対する救いの手を差し伸べたいと願っている。しかし、その行動が悪用される可能性についても慎重に考えている。
- 彼は自分自身の立場についても自覚しており、善人であることを主張している。彼は「自殺者を募る殺人者」ではないことを明確にしている。
- 蓮は未来に対する希望を持ち、AIが鬱ブログの著者に対して助けとなる可能性について考えている。彼は問題解決に対する前向きな視点を持っており、他人を尊重し、善意で行動したいという強い意志を持っている。
回答
以下に抽象度の低い順から高い順まで、抽象度1から10のリストを作成しました。抽象度1の「澄川 蓮」から始まり、最も具体的な個人から徐々に一般化して、抽象度10では「人間」という最も包括的な概念に至ります。
抽象度1:澄川 蓮
- 特定の個人、明確なプロフィールと詳細な個性を持つ。
抽象度2:フリーランスのエッセイスト・ブロガー
- 職業と活動内容を示し、ある程度の共通点を持つ集団の中での個性が感じられる。
抽象度3:思想家・表現者
- 社会に自分の考えを発信し、深く思索を巡らせる人々。作家やアーティストも含まれる。
抽象度4:知的なクリエイター
- 知識や洞察を持ち、何かを生み出す人々全般。知識の追求と発信が特徴。
抽象度5:インフルエンサー
- 自分の意見や価値観で他人に影響を与える人々。個性は薄まるが社会的役割が強調される。
抽象度6:思索家
- 人生や哲学、感情について深く考える人々のグループ。自らのアイデンティティは薄まり、思想が中心となる。
抽象度7:個人
- 社会の中で一人ひとり異なる考えや経験を持つ存在。具体的な職業や趣味の概念からさらに一歩離れた捉え方。
抽象度8:人
- 人間としての基本的な特徴を持つが、具体的な個性や職業、特定の役割は含まない。
抽象度9:知的生命体
- 知性を持つ生命としての人間全般。人間以外の知的生命も含む可能性がある。
抽象度10:人間
- 最も包括的で抽象的な存在としての人間。種としての特徴のみが示され、個性や具体的な特徴は完全に取り除かれている。
このリストでは、特定の個人から始まり、徐々に共通の役割や属性をもつ集団、さらに知的生命体全般という抽象化の流れを示しています。それぞれのステップで、より包括的で一般化された特徴が強調され、個別性が薄れていくように構成しています。
もうちょっとわかりやすく
プロンプト
ありがとうございます。しかし、ちょっと理解しずらいと感じました。
回答
わかりやすくなるように、少し解説を加えながらリストを組み直しますね。以下のリストは、特定の個人から始まり、徐々に抽象度が上がって「人間」という概念に近づいていく流れを意識しています。
抽象度1から10までのリスト
抽象度1:澄川 蓮
- 特定の個人です。「澄川 蓮」という名前、年齢や職業、外見や趣味など、具体的なプロフィールが細かく示されています。
抽象度2:あるフリーランスのエッセイスト・ブロガー
- 「澄川 蓮」を少し抽象化し、特定の名前は外しました。職業や活動内容(エッセイスト、ブロガー)で個性がぼんやりとわかる範囲です。
抽象度3:思索する表現者
- エッセイストやブロガーという職業に限らず、考えを文章などで発信するタイプの人全般を指します。具体的な仕事の種類は減り、「考えを発信する」という特徴が中心に。
抽象度4:クリエイティブな人
- 表現する手段や仕事は限定されず、創造的な活動をしている人全体に拡がりました。文章、絵、音楽など、さまざまな創作活動が含まれます。
抽象度5:知識を広げる人
- さらに幅が広がり、知識を求めたり発信する人たち全般を指します。ここには、特に「創作」という要素はなく、知識の探求や共有が特徴です。
抽象度6:思索家
- 自分の内面や人生について深く考える人たち全般を指します。具体的な活動や創作の有無にかかわらず、「深く考える」という姿勢に焦点が当たっています。
抽象度7:個人
- ここでは、一人の人間としての「個人」を指します。名前や職業、考え方などの個性はなく、「一人ひとりの人」という程度の意味です。
抽象度8:人
- 人間としての特徴がぼんやりと残っていますが、個人の特徴は薄れています。人間としての一般的な姿を指します。
抽象度9:知的存在
- 「人間」に限らず、知性を持つ存在全般を指します。ここには地球外の知的生命なども含まれる可能性があります。
抽象度10:人間
- 最も抽象的な概念で、人間全体を指します。個別の特徴や性質はなく、「人間」という種の大枠の概念にまで広がっています。
この流れでは、徐々に「具体的な特徴」が少なくなり、最終的には個人としての区別がなくなるまで抽象化されます。
知的存在<人間?
プロンプト
「抽象度9:知的存在」と、「抽象度10:人間」の順番は適切なのでしょうか?
回答
ご指摘ありがとうございます。確かに「知的存在」は「人間」よりも抽象度が高く、人間という枠にとらわれない広い概念ですので、順番を逆にしたほうが適切です。以下のように修正します。
抽象度1から10までのリスト(修正版)
抽象度1:澄川 蓮
- 特定の個人です。「澄川 蓮」という名前、年齢や職業、外見や趣味など、具体的なプロフィールが細かく示されています。
抽象度2:あるフリーランスのエッセイスト・ブロガー
- 「澄川 蓮」を少し抽象化し、特定の名前は外しました。職業や活動内容(エッセイスト、ブロガー)で個性がぼんやりとわかる範囲です。
抽象度3:思索する表現者
- エッセイストやブロガーという職業に限らず、考えを文章などで発信するタイプの人全般を指します。具体的な仕事の種類は減り、「考えを発信する」という特徴が中心に。
抽象度4:クリエイティブな人
- 表現する手段や仕事は限定されず、創造的な活動をしている人全体に拡がりました。文章、絵、音楽など、さまざまな創作活動が含まれます。
抽象度5:知識を広げる人
- さらに幅が広がり、知識を求めたり発信する人たち全般を指します。ここには、特に「創作」という要素はなく、知識の探求や共有が特徴です。
抽象度6:思索家
- 自分の内面や人生について深く考える人たち全般を指します。具体的な活動や創作の有無にかかわらず、「深く考える」という姿勢に焦点が当たっています。
抽象度7:個人
- ここでは、一人の人間としての「個人」を指します。名前や職業、考え方などの個性はなく、「一人ひとりの人」という程度の意味です。
抽象度8:人
- 人間としての特徴がぼんやりと残っていますが、個人の特徴は薄れています。人間としての一般的な姿を指します。
抽象度9:人間
- 人間全体を指し、個別の特徴や性質はなく、「人間」という種の大枠の概念です。
抽象度10:知的存在
- 「人間」に限らず、知性を持つ存在全般を指します。地球外の知的生命なども含まれる可能性があり、最も抽象的で広い概念です。
このように、抽象度10を「知的存在」に修正することで、抽象度の流れが自然になると思います。
人<人間?
プロンプト
「抽象度8:人」と「抽象度9:人間」の違いは何でしょうか?
回答
「抽象度8:人」と「抽象度9:人間」の違いは微妙ですが、以下のようなニュアンスで区別することができます。
抽象度8:人
- より一般的な日常表現で、他の動物や存在と区別する際に使われる「人」としての存在です。具体的な文化、社会的な役割、または他の知的生命と対比して考えられることが少なく、人間の基本的な性質を持つ存在という程度にとどまります。
抽象度9:人間
- 「人間」という種全体を指す生物学的・哲学的な概念であり、他の動物や異星の知的生命と対比した際に明確に「人間」と認識される存在です。ここには、人間固有の文化、歴史、社会性、知的な特質が含まれる可能性があり、より包括的な定義として人類を表します。
つまり、「人」は身近で一般的な存在として捉えられ、「人間」は種や存在全体を包括する、やや包括的・学問的な意味を持たせた概念です。
わかりやすい例を1つください
プロンプト
ありがとうございます。しかしまだ、少しわかりにくさを感じます。最後に、抽象度のスケールとして非常にわかりやすい例を新しく1つ作成してください。その際に、事前定義の設定(澄川 蓮、人間)を無視してください。
回答
以下に、抽象度のスケールとしてよりシンプルでわかりやすい例を作成しました。具体的な物から概念的なものへと抽象化されていく流れが見えやすいように意識しました。
抽象度1から10までのスケール例:「赤いリンゴ」
抽象度1:リンゴの写真
- 具体的な写真や実物のリンゴを指す。目の前にある「このリンゴ」を意味します。
抽象度2:赤いリンゴ
- 見た目や色の特徴がつけられたリンゴ。形状や色が特定されているが、個別のリンゴのことではない。
抽象度3:リンゴ
- 具体的な色や形状を指定せず、「リンゴ」という果物全般を指す。
抽象度4:果物の一種
- 「リンゴ」に限らず、果物としての一部として捉える。バナナやオレンジも含む広いカテゴリに属する。
抽象度5:植物の実
- 果物からさらに広がり、果物も含む「植物が実らせるもの全般」を指す。木の実や野菜の実なども含まれる。
抽象度6:植物の一部
- 果実だけでなく、花、葉、根、茎など、植物を構成する部位全体の一部として考えられる。
抽象度7:植物
- 「植物」としての存在全般を指す。果実や葉などの部分を含まず、植物全体を指す概念。
抽象度8:生物
- 「植物」からさらに広がり、動物も含めた「生物全般」を指す。生きているもの全てが対象。
抽象度9:生命
- 生物としての具体的な存在を越え、「生命」という概念全般を意味する。生命現象そのものに焦点が当たる。
抽象度10:存在
- 生命に限らず、物質や現象など「存在するものすべて」を指す最も広い概念。
この例では、具体的な「リンゴの写真」から始まり、「存在」という最も抽象的な概念まで段階的に抽象度が上がっています。各段階で具体性が減り、より広い範囲をカバーするようになっています。
スーパーマリオでお願いします
プロンプト
リンゴの例はわかりやすいですね。しかし面白みに欠けます。多くの人にとって身近でおもしろい例にしたいと思います。例えば、スーパーマリオブラザーズを題材にすると、どのような例を作成できますか?
回答
面白みのある例として「スーパーマリオブラザーズ」を題材にして、具体的なキャラクターからゲーム全体、さらには広いエンターテインメントの概念まで抽象化していくスケールを作成しました。
抽象度1から10までのスケール例:「スーパーマリオブラザーズ」
抽象度1:マリオ
- 主人公のマリオそのもの。特徴的な赤い帽子やヒゲ、オーバーオールを着た「このキャラクター」のことです。
抽象度2:マリオとルイージ
- マリオとその兄弟ルイージのセット。「スーパーマリオブラザーズ」シリーズに登場する主要キャラクターとしての二人です。
抽象度3:キャラクターたち
- マリオとルイージに加え、ピーチ姫、クッパ、キノピオなど「スーパーマリオブラザーズ」シリーズに登場するキャラクター全体を指します。
抽象度4:スーパーマリオブラザーズの世界
- キャラクターたちに加えて、ゲームの舞台となる「キノコ王国」やゲームの世界観全体を含めた「スーパーマリオブラザーズ」の世界そのもの。
抽象度5:スーパーマリオシリーズ
- 「スーパーマリオブラザーズ」に限らず、「スーパーマリオ64」や「スーパーマリオオデッセイ」など、マリオが主人公のすべてのゲームシリーズ全般を指します。
抽象度6:マリオシリーズのゲーム全般
抽象度7:任天堂のゲーム
抽象度8:コンピュータゲーム
- 任天堂に限らず、家庭用ゲームやPCゲーム、モバイルゲームなども含む「コンピュータゲーム」全般。
抽象度9:ゲーム
- コンピュータゲームだけでなく、ボードゲームやカードゲーム、スポーツといった「遊びとしてのゲーム」全般を指します。
抽象度10:エンターテインメント
- ゲームだけでなく、映画や音楽、演劇など、人々に楽しさを提供する「エンターテインメント」という最も広い概念。
この例では、「マリオ」というキャラクターから始まり、徐々に範囲を広げて「エンターテインメント」という最も抽象的な概念に至るまでの流れを示しています。
やってみた感想
- 一部誤りはありましたが、おおむね正しい抽象度のスケールが作成されました。AIは抽象度を理解しているようです。
- 最初の定義での例では、ちょっとわかりにくさが残りました。
- 人と人間の違いを言い張るのは苦しいと感じます。
- 結局、単に抽象度のスケール例をいくつか出す、という流れになってしまいました。
- 全体的に、あまりおもしろさが得られませんでした。
- リンゴの例は、正しいけど面白味に欠けました。
- マリオの例は分かりやすく、身近な感じで良かったです。しかし、もう一味欲しいと感じました。
- 長々と試行しましたが、出来高は今一つと言ったところです。
- ともあれ、これだけAIと会話ができて、要望に応じて出力を変えることができるという、いいサンプルができたと思います。
- すごいことですが、最近はもう驚かなくなってきましたね。